「子どもと一緒に地方に滞在しながら仕事できたらいいな」
そう思ったことはありませんか。親子ワーケーションへの関心は年々高まっていますが、実際に参加した人はまだ少数派です。その理由のほとんどが「どこで探せばいいのか」「子どもはどうするのか」「費用はいくらかかるのか」という情報の壁です。
この記事では、親子ワーケーションをこれから始めようとしている方に向けて、プログラムの探し方から申し込みの流れまで、一通りわかるようにまとめました。
親子ワーケーションとは?旅行・移住とどう違うのか
親子ワーケーションとは、仕事(ワーク)と滞在(バケーション)を地方で同時に行う働き方のことです。テレワーク可能な親が子どもと一緒に地方に1泊〜2週間ほど滞在し、親が仕事をしている間、子どもは現地のプログラムや保育施設で過ごします。
「旅行」との一番の違いは、親が日中リモートワークをしている点です。観光を楽しむためだけに行く旅行とは異なり、子どもの「居場所」が確保されていることが前提になっています。親が仕事に集中できる時間を確保しながら、子どもが地域の自然・文化・人と触れ合う体験を得るという、双方にとってのメリットが設計されています。
「移住」との違いは、あくまで短期滞在である点です。住民票を移す必要はなく、仕事も子どもの学校も変えずに参加できます。「移住に興味はあるけどハードルが高い」という家族にとっては、地域を試しに体験できる入口としても機能しています。
2タイプの親子ワーケーション|プログラム型とセルフプラン型の違い

親子ワーケーションには大きく2つの形があります。自分の家族に向いているのはどちらか、まず確認しておきましょう。
プログラム型(自治体・団体が主催)
自治体や民間団体が企画・運営するプログラムに申し込んで参加する形です。子どもの体験プログラムや居場所があらかじめセットされており、親の作業スペースも用意されています。費用が補助されているケースも多く、初めての方にとって最も入りやすい方法です。
セルフプラン型(自分で手配)
宿泊先・仕事場所・子どもの預け先をすべて自分で手配するスタイルです。自由度は高いですが、子どもの居場所を別途探す手間がかかり、費用も全額実費になります。ワーケーション経験者やリピーターに向いています。
2つの違いを比較すると
| プログラム型 | セルフプラン型 | |
|---|---|---|
| 子どもの居場所 | 主催者が用意済み | 自分で探す必要あり |
| 費用 | モニター・補助あり。無料〜数万円 | 全額実費。割高になりやすい |
| 申し込み | 応募・選考あり | 予約のみ |
| 手間 | 少ない(まとめてセット) | 多い(個別に手配) |
| 向いている人 | 初めての人・子の体験を重視したい人 | リピーター・自由度を求める人 |
初めての参加なら、まずプログラム型から試してみることをおすすめします。
プログラム型を探す3つの方法

プログラム型の親子ワーケーションを探す方法は主に3つあります。
方法①:情報サイトをまとめてチェックする
「みんなでつくる親子ワーケーション情報サイト」は、全国の自治体・団体主催プログラムが集約されているサイトです。受付中のプログラムのみを絞り込む機能があり、各プログラムには「未就学児」「小学生」「中学生」などの年齢タグが表示されているので、子どもの年齢に合うものを探しやすくなっています。まず最初にここを確認するのがもっとも効率的です。
方法②:自治体の公式サイト・プレスリリースをチェックする
新潟県・富山県・長野県・山口県など、親子ワーケーションに積極的な自治体は、県の観光推進ページや移住促進ページでモニター募集を告知しています。気になる地域がある場合は「(都道府県名)親子ワーケーション」で検索し、公式の情報源を直接確認しましょう。
方法③:SNSで「モニター」情報を早くつかむ
自治体や団体のプログラムは、告知から締め切りまでが短い場合があります。特にモニター募集は定員が少なく(3〜10家族程度)、告知から数日で埋まることも。XやInstagramで「親子ワーケーション モニター」と検索するか、発信している団体をフォローしておくと情報を早くキャッチできます。
費用の目安|無料・格安プログラムが存在する理由

親子ワーケーションのプログラムには「無料」や「格安」のものが多く存在します。なぜなのか、仕組みを理解しておきましょう。
自治体・団体がモニター募集をする理由
多くのプログラムは「モニター募集」という形を取っています。自治体にとっての目的は、移住・二地域居住の促進や関係人口の創出です。実際に地域を体験してもらい、将来的な移住や継続的な訪問につなげることを期待しているため、参加者の費用を大幅に補助したり無料にしたりしています。
費用の幅感
プログラムの種類や期間によって費用は大きく異なります。
- 無料〜交通費のみ実費:自治体主導の手厚いモニタープログラム
- 1〜3万円程度:食費・体験料の一部が自己負担
- 5〜10万円程度:宿泊・食事・体験がフルセットの有料プログラム
例えば有料プログラムの過去の実例として、2泊3日・宿泊費+3食+体験料込みで大人1名・子ども1名の場合に5万円台というケースがありました。ただし各プログラムの費用は時期によって変わるため、必ず申し込み時点の公式ページで確認してください。一方、モニター型であれば宿泊・食事・プログラムがほぼ無償で提供されることもあります。
費用を確認するときのポイント
申し込み前に必ず確認すべき項目があります。
- 交通費は含まれているか(多くの場合、交通費は自己負担)
- 宿泊・食事はセットか、別途必要か
- 子どもの体験プログラム費用は含まれているか
- キャンセルポリシーはどうなっているか
子どもの「居場所」はどう確保されているの?
親子ワーケーションを検討する際、多くの親が最初に気になるのが「子どものことを誰が、どうみてくれるのか」という点です。プログラム型の場合、子どもの居場所は主に3つのパターンがあります。
パターン①:自然体験・地域体験プログラム型
親がリモートワークをしている間、子どもは有資格のスタッフや地域の大人たちと一緒に自然体験・農業体験・工芸体験などのプログラムに参加します。地元の子どもたちとの交流が含まれるプログラムも多く、「都市では得られない体験」が凝縮されています。対象年齢は未就学児から小学生まで幅広く、プログラムによって異なります。
パターン②:体験入学型
現地の小学校に数日間通わせてもらうスタイルです。小学生が対象で、地域の子どもたちと一緒に授業を受けたり休み時間を過ごしたりします。「デュアルスクール」(株式会社あわえの登録商標)と呼ばれる制度がよく知られていますが、自治体によっては独自の名称で「体験入学」として実施しているところもあります。新潟県糸魚川市・富山県魚津市などで実績のある形です。通常の学校生活に近い環境なので、子どもが馴染みやすいという声もあります。
パターン③:保育園留学型
未就学児を対象に、滞在先近くの保育園・こども園に数日〜数週間通わせるスタイルです。地域の自然環境の中での保育が特徴で、都市の保育園では体験しにくい遊びや食材に触れることができます。親は保育時間中にリモートワークを行います。
安心のために事前確認すること
どのパターンでも、申し込み前に以下を確認しておくことをおすすめします。
- スタッフの資格(保育士・幼稚園教諭など)や人数
- 子どもが体調不良になった場合の対応
- 緊急時の連絡体制
- 子どもが嫌だと言ったときの対応方針
こんな家族に向いている・向いていない

参加を検討する前に、自分たちの状況と照らし合わせてみてください。
向いている家族
- 週3〜5日程度リモートワーク可能な仕事環境がある
- 子どもに「自然・地域・人とのつながり」を体験させたい
- 移住や二拠点生活を将来的に検討している
- 子どもが環境の変化に比較的柔軟
- 親がある程度「仕事に集中できる時間」を作れる
慎重に検討したい家族
- 仕事の性質上、完全なリモートが難しい(対面必須の業務が多い)
- 子どもが環境の変化に非常に敏感・場所見知りが強い
- 乳児(目安:1歳未満)など、長距離移動や集団環境への適応が難しい月齢
- 夫婦どちらかしかリモートワーク不可で、もう一方が常にそばにいる必要がある
向いていない要素があっても、プログラムの期間が短ければ試せることもあります。まず1〜2泊の短期プログラムから入るのが無理のない始め方です。
申し込みから参加までの流れ

プログラム型の場合、一般的な流れは以下の通りです。
ステップ1:情報を見つける
情報サイトやSNSでプログラムを見つけたら、詳細ページで開催期間・対象年齢・定員・費用・申し込み締め切りを確認します。人気プログラムは数家族限定のことが多く、募集告知から数日で締め切りになることもあります。
ステップ2:応募する
多くのプログラムはフォームからの応募制です。家族構成・子どもの年齢・参加の動機などを記入します。選考がある場合は、応募多数の際に抽選や書類選考が行われます。モニター型では参加後の発信(SNS・ブログなど)を条件にするケースもあります。
ステップ3:採否の連絡を待つ
応募後、数日〜数週間で採否の連絡が来ます。人気プログラムは競争率が高いため、第2・第3候補のプログラムもあらかじめ探しておくと安心です。
ステップ4:参加前の準備
採用が決まったら、以下を確認・準備しておきましょう。
- 仕事環境の確認:Wi-Fiの速度・静かに作業できるスペースの有無
- 子ども関連の準備:常備薬・かかりつけ医の連絡先・保険証のコピー
- 緊急連絡体制:子どもが体調不良になった場合の主催者側の対応確認
- 交通手段の手配:交通費は自己負担が多いため早めに予約
よくある失敗と対策
- Wi-Fi環境を確認せずに参加→現地でZoom会議に支障が出た。事前に速度・個室の有無を問い合わせる
- 子どもが初日に緊張して泣いてしまった→プログラム側のスタッフに事前に伝えておくと対応してもらいやすい
- 親が仕事に集中できず結局「旅行」になった→仕事のスケジュールを事前に組んでおき、仕事時間とプライベート時間を明確に分ける
まとめ|最初の一歩は「情報サイトを受付中で絞る」だけ
親子ワーケーションは、参加した家族のほとんどが「もっと早く知っていれば」と言うほど、費用・体験・仕事のバランスが良い制度です。ただし情報が分散していて見つけにくく、締め切りも早いため、知っている人だけが動ける状況になっています。
まず最初の一歩は、どこでプログラムを実施しているか調べてみること。それだけで、今すぐ申し込めるプログラムが見つかります。
「移住するほどではないけれど、いつもと違う環境で子どもを育ててみたい」という気持ちがあるなら、親子ワーケーションはその気持ちにちょうど合う選択肢だと思います。
※本記事で紹介した情報は執筆時点のものです。各プログラムの費用・開催期間・申し込み方法は変更になる場合があります。必ず各プログラムの公式ページでご確認ください。
キッズクラブ付きホテルであれば、ワーケーションも簡単に実現可能です。2歳の娘と体験したクラブメッド・キロログランドのプティクラブでは、クラブメッドでの託児体験を綴っています。子どもにとっても楽しい体験になるのでぜひご参考にされてください。





